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トレーニングコラム

運動すると風邪をひきにくくなる? ―免疫とトレーニングの関係をわかりやすく解説-

トレーニングコラム

2026/06/23 16:16 トレーニングコラム

こんにちは。

浜松市・豊橋市のパーソナルトレーニングジム

S-pace【エスペース】です。

 

今回のコラムは

 

「運動すると風邪をひきにくくなる?
―免疫とトレーニングの関係をわかりやすく解説-」

 

についてです。

 

 

冬の寒い季節や季節の変わり目になると、「風邪をひきやすい人」と「いつも元気な人」の差が気になります。

その違いを生み出す大きな要素の一つが「運動習慣」です。

「運動をしている人は風邪をひきにくい」というイメージは広く浸透していますが、実は医学的な研究を進めると、

運動のやり方(強度や時間)を一歩間違えれば、むしろ風邪をひきやすくしてしまうという意外な事実も見えてきます。

 

​今回は、私たちの体に備わった「免疫」の仕組みを解き明かしながら、運動が免疫システムに与える影響、

そして風邪に負けない最強の体を作るための理想的なトレーニング法について、

3,500字を超えるボリュームで徹底的に解説します。

 

 

1:そもそも「免疫」とはどんな仕組みなのか?

 

 

 

​私たちが健康に暮らせる背景には、外敵から体を守る「免疫」という高度な防衛システムが24時間体制で働いていることがあります。

まずは、医療の知識がなくてもイメージしやすいように、この仕組みを分かりやすく整理してみましょう。

​免疫システムは、主に2つの防衛ライン(軍隊)で構成されています。

 

第1の防衛ライン:自然免疫(パトロール部隊)

​ウイルスや細菌が体に侵入してきたとき、最初に最前線で戦うのが「自然免疫」です。

代表的な細胞には「NK(ナチュラルキラー)細胞」や「マクロファージ」などがあります。

彼らは常に全身の血液やリンパ液に乗ってパトロールしており、

怪しい侵入者(ウイルスに感染した細胞など)を見つけると、事前のアナウンスなしにその場で即座に攻撃を仕掛けます。

 

第2の防衛ライン:獲得免疫(エリート特殊部隊)

​第1の防衛ラインを突破されてしまった場合に出動するのが「獲得免疫」です。

T細胞」や「B細胞」といった細胞がこれに該当します。

彼らは侵入した敵の「顔写真(抗原)」をしっかりと分析・記憶し、

その敵をピンポイントで撃破するための強力な武器(抗体)を作ります。

 

インフルエンザのワクチンを打つと風邪をひきにくくなるのは、この獲得免疫の「敵を記憶する力」を利用しているからです。

​運動は、これら2つの防衛ライン、特に最前線で戦う「NK細胞」の数や働きに大きな影響を与えることが分かっています。

 

 

​2:医学が証明した「運動強度」と「感染リスク」の法則

 

 

 

​運動をすればするほど免疫力が無限に上がっていくわけではありません。

 

スポーツ医学の世界では、運動の「きつさ(強度)」や「量」と、風邪などの感染症にかかるリスクの間には、

アルファベットの「J」の形に似た関係があることが実証されています

これを「J型曲線(J-shaped curve)効果」と呼びます。

​この法則を、3つのグループに分けて詳しく見ていきましょう。

 

全く運動をしない人(風邪リスク:中)

​日頃からデスクワークばかりで運動不足の人は、免疫のパトロール部隊(NK細胞など)の元気がなく、

血流も悪いため、ウイルスの侵入に対して素早く反応できません。

そのため、風邪をひくリスクは「平均的(中程度)」となります。

 

適度な運動を習慣にしている人(風邪リスク:低)

​日常的にウォーキングや軽いジョギング、ヨガなどの「適度な運動」を行っている人は、

何もしていない人に比べて風邪をひくリスクが20%〜50%も低いことが分かっています

運動によってパトロール部隊が活性化し、体内の防御力が常に高い状態に維持されるためです。

 

激しすぎる運動・オーバートレーニングの人(風邪リスク:高)

​最も注意しなければならないのがこのグループです。

フルマラソンを走った後や、息が絶え絶えになるほどの猛烈な筋トレ、

あるいは限界を超えるような部活動の練習を行った直後は、なんと普段運動をしない人よりも劇的に風邪をひきやすくなります。

​なぜ、体に良いはずの運動で風邪をひいてしまうのでしょうか。

その理由は、運動直後に訪れる「体の隙」にあります。

 

 

3:激しい運動の後に訪れる「オープンウィンドウ」の恐怖

 

 

 

​医学用語には、激しいトレーニングの直後に免疫力が一時的にガクンと低下する期間を指す

オープンウィンドウ(開いた窓)」という言葉があります。

 

​家の中を守る窓(免疫)がガラ空きになり、泥棒(ウイルス)が入り放題になってしまう状態をイメージしてください。

この現象が起きるメカニズムには、ホルモンが深く関係しています。

 

  • ストレスホルモン「コルチゾール」の反乱

 

​体にとって、限界を超えるような激しい運動は一種の「危機的ストレス」です。

このストレスに対抗するため、副腎という臓器からコルチゾールというホルモンが大量に分泌されます。

コルチゾールはエネルギーを生み出すために必要なホルモンですが、

困ったことに「免疫細胞の働きを強力に抑え込んでしまう」という副作用を持っています。

 

​激しい運動を終えた後の数時間から数日間は、血中のNK細胞の数が通常時の半分以下にまで減少することが確認されています

アスリートが大会直前に体調を崩しやすいのは、このオープンウィンドウの時期にウイルスを吸い込んでしまうことが主な原因です。

 

 

4:免疫力を最大化する「理想の運動メニュー」

 

 

 

​では、風邪をひかない健康的な体を維持するためには、具体的にどのような運動を、どのくらい行えば良いのでしょうか。

医学的知見に基づいた「黄金ルール」を箇条書きで分かりやすくご紹介します。

 

・​運動の強度は「ニコニコペース」で: うっすらと汗をかき、隣の人と笑顔で会話ができる程度の強度がベストです。

脈拍数で言えば「1分間に110〜125回」程度(40代〜50代の場合)が目安となります。

 

・​時間は「1回20分〜60分」: 免疫細胞を活性化させるには20分以上が効果的です。

逆に、90分を超えるような長時間の運動は、ストレスホルモンが増え始めるため逆効果になりやすくなります。

 

・​頻度は「週に3日〜5日」: 運動による免疫の活性化効果は、約24時間〜48時間で元のベースラインに戻ってしまいます。

そのため、週末にまとめて1回行うよりも、1日おきに小まめに続ける方が効果が途切れません。

 

​・おすすめの種目: ウォーキング、軽いジョギング、サイクリング、水中ウォーキング、スロースクワットなどが適しています。

​「ちょっと物足りないな」と感じるくらいで切り上げるのが、免疫力を高めるための最大の秘訣です。

 

 

5:トレーニング前後で実践すべき「免疫ディフェンス」

 

 

 

​運動のやり方だけでなく、その前後のケアを徹底することで、オープンウィンドウ(免疫低下リスク)を徹底的に防ぐことができます。

 

​1.運動後30分以内の「栄養補給」

運動によって消費されたエネルギー(糖質)と、筋肉の修復に使われる「たんぱく質」をすぐに補給しましょう。

バナナやプロテイン、おにぎりなどを口にすることで、体内のストレス反応が速やかに収まり、

コルチゾールの分泌を抑えることができます。

 

​2.速やかな「保温」と「着替え」

汗をかいたまま放置すると、皮膚の体温が急激に奪われます。

体温の低下は血管を収縮させ、免疫細胞の巡りを悪くします。

運動後はすぐに汗を拭き取り、乾いた衣服に着替えましょう。

 

​3.「グルタミン」の活用

アミノ酸の一種である「グルタミン」は、免疫細胞(特にお腹の粘膜を守る細胞)のエネルギー源になります。

激しい運動をする人は、サプリメントなどでグルタミンを補給すると、

風邪の予防に高い効果を発揮することがスポーツ医学のデータでも示されています。

 

​4.こまめな水分補給で粘膜を守る

喉や鼻の粘膜には、ウイルスを外に追い出す「繊毛(せんもう)」という組織があります。

空気が乾燥したり、運動で脱水気味になったりすると粘膜が乾き、繊毛の動きがストップしてしまいます。

運動中はもちろん、前後にも小まめに水を飲み、喉を潤しておきましょう。

 

 

6:体からのSOSを見逃さない:運動を休むべき基準

 

 

 

​最後に、「少し体調が悪いけれど、運動して汗をかけば治るだろう」という大いなる誤解について解説します。

「運動で風邪を治す」ことは医学的に不可能です。

 

​すでに体の中にウイルスが増殖しているときに運動を行うと、筋肉を動かすことにエネルギーが奪われ、

免疫部隊に回せるエネルギーが不足してしまいます。

結果として風邪が急激に悪化したり、心筋炎などの重い合併症を引き起こしたりするリスクがあります。

​運動を行うべきか休むべきかの判断基準として、医療の世界でよく使われる「ネックチェック(首の基準)」を覚えておきましょう。

 

・​運動しても良い目安(首から上だけの症状):

鼻水が少し出る、くしゃみが出る、程度の症状であれば、ごく軽いウォーキング程度なら行っても問題ないとされています。

 

​・絶対に運動を休むべき目安(首から下の症状):

微熱がある、喉が激しく痛む、咳が出る、関節痛がある、全身がだるい、といった症状が一つでもある場合は、

免疫部隊が総力戦でウイルスと戦っているサインです

迷わず運動を中止し、横になって睡眠をとってください。

 

 

まとめ

 

​適度な運動は、お金のかからない「最高の天然ワクチン」です。

筋肉を鍛えることだけがトレーニングではありません。

自分の体調を注意深く観察し、時には心地よく体を動かし、時には勇気を持って休む。

この柔軟なセルフマネジメントこそが、ウイルスに負けない本物の健康体を創り出すのです。

あなたのライフスタイルに合わせて、まずは週数回の心地よいウォーキングから始めてみませんか。

 

 

 

 

 

浜松市(鴨江・葵東)、豊橋市にあるS-paceでは経験豊富なパーソナルトレーナーがおります。

今回ご紹介したもの以外にも腰痛予防のお尻のストレッチや腹圧向上のトレーニング、

肩コリ予防の運動など様々な運動をご提供できます。

ご不安や、ご質問があればS-pace一同お待ちしておりますのでお気軽にご連絡ください。

 

 

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